被害者救出の最終手段であると同時に、我々に相談に来る方のほとんどがこの方法によ
って救済せざるを得ない状態です。
破産申立をすると、債権者は正当な事由なくして取り立てをすることができなくな
り、破産宣告を受けることによって多くのサラ金業者は回収を諦め、損金(貸し倒れ)
処理をしてしまいます。中には破産申立をしたことを知っていながら取り立てをしたり、
少しでも返済して欲しいと泣き落としのようなことをするサラ金業者もいるようですが、
破産申立後は一切相手にしないようにしなければいけません。
安易な破産はいけませんが、本当に支払不能な状態になってしまったら一刻も早く破産
申立をする方が被害を最小限に食い止めることができます。
自己破産には同時廃止と異時廃止の二種類あります。
通常は、破産決定と同時に破産管財人を選任し、すべての財産を換価して債権者に配当す
ることによって破産手続を廃止する異時廃止の手続によるが、例外的に債務者に見るべき
財産がない場合は破産宣告と同時に破産手続を廃止してしまう同時廃止の手続によります。
いわゆるカード破産の場合には原則と例外が逆転していて、ほとんどのケースが同時廃止
事件です。
地域によって差はありますが、破産者の財産が概ね50万円以下の場合は、同時廃止事
件となるようです。
同時廃止の場合
1.弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、公証人等になれなくなる。
2.後見人、後見監督人、保佐人、遺言執行者等になれなくなる。
3.保険外交員、証券外交員等になれなくなる。
4.合名会社及び合資会社の社員は退社事由となり、株式会社の取締役、監査役は退任
事由となる。
5.本籍地の役場の破産者名簿に登載され、身分証明書に破産者である旨が記載される。
6.7〜8年はカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなる。
異時廃止の場合(上記1〜6に加えて)
7.財産の管理権の喪失
ただし、破産宣告時にもっていた財産に限る。
したがって、破産宣告後に破産者が新たに取得した財産は、破産者が自由に管理処
分できる。
8.破産管財人、債権者集会の請求により、破産について必要な説明をしなければなら
ない。
9.裁判所の許可なく居住地を離れて引越しや長期の旅行をすることができない。
10.裁判所が必要と認める場合には身体を拘束されることがあり、逃走または財産を隠
したり壊したりするおそれがあるときは監守を命じられることがある。
11.郵便物は破産管財人に配達され、破産管財人は受け取った郵便物を開披できる。
<注意>
5の身分証明書は提出を求められることがほとんどないためほとんど不利益とはならない
でしょう。
また、戸籍には記載されたり、選挙権がなくなったり、会社を辞めなければならないこと
もありません。
したがって、同時廃止の場合は何を買う場合でも現金で買わなければならないということ
ぐらいで、その他の不利益はほとんどないと言えます。
7〜11は破産手続の廃止によって、1〜5は免責の決定によってなくなります。
同時廃止事件
東京地方裁判所の場合、同時廃止事件では合計2万7,250円かかります(専門家に
依頼せず全部自分でおこなった場合)。内訳は、予納金2万円、申立書に貼る収入印紙代
600円、予納郵券6,650円分です。
| 予 納 金 | 2万円 |
| 収入印紙 | 600円 |
| 予納郵券 | 6,650円 300×5、80×60 50×5、10×10 |
| 合 計 | 2万7,250円 |
異時廃止事件
異時廃止事件の場合、破産管財人を選任して財産の換価、配当手続をすることになるた
め、予納金は最低でも約50万円必要となります。
東京地方裁判所の予納金
| 負 債 総 額 | 自然人 | 法 人 |
| 5,000万円未満 | 50万円 | 70万円 |
| 5,000万〜1億円未満 | 80万円 | 100万円 |
| 1億〜5億円未満 | 150万円 | 200万円 |
| 5億〜10億円未満 | 250万円 | 300万円 |
| 10億〜50億円未満 | 400万円 | |
| 50億〜100億円未満 | 500万円 | |
| 100億〜250億円未満 | 700万円 | |
| 250億〜500億円未満 | 800万円 | |
| 500億〜1,000億円未満 | 1,000万円 | |
| 1,000億円以上 | 1,000万円以上 | |
専門家に依頼する場合
弁護士、司法書士等の専門家に依頼する場合は、上記費用の他に報酬が必要になります。
詳しくは各専門家にお問い合わせください。
1.申立書
2.陳述書
3.債権者一覧表
4.資産目録
5.家計の状況(申立した月から2ヶ月分)
6.公租公課の支払状況
7.生活等の状況
8.債権者の宛名を書いた封筒
9.親族の援助を得られない事情を書いた書面
10.予納金
11.郵便切手
12.収入印紙
13.住民票(世帯全員、省略のないもの)
14.戸籍謄本(抄本は不可)
15.給与明細書2ヶ月分(写し)
16.源泉徴収票or課税証明書(区役所発行のもの)
17.同居者の給与明細書or源泉徴収票
18.住居賃貸借契約書(写し)
公営の場合→住居使用許可書(写し)
世帯主と同居→世帯主の同居証明書
19.本人又は同居者が不動産を所有している場合→不動産登記簿謄本
20.2年以内に自己の所有していた不動産を売却した場合
任意売却→不動産登記簿謄本、売買契約書等の写し、売却代金の使途明細書
競売→不動産登記簿謄本、売却許可決定正本の写し、
配当表等競売事件に関する資料の写し、剰余金の使途明細書
21.退職金支給額証明書
未退職の場合→退職金支給の有無と支給額証明書(退職金支給規定等)
過去1年位の間に退職した場合→退職金支給証明書、使途明細書
22.生命保険に加入している場合→生命保険証書、解約返戻金計算書(写し)
23.訴訟関係書類(写し)
24.預金通帳(写し)
25.自動車登録証(写し)
26.会員権証書(写し)
27.有価証券(写し)
28.債権(貸付金)回収可能性についての書面
29.財産分与についての書面
30.生活保護等の受給(資格)証明書(写し)
31.過去の破産宣告決定書(写し)
32.傷病等により入院、通院加療中の場合→診断書(写し)
<注意>
1〜9については、書類を作成して提出しますが、1〜8は裁判所で配布しています。
10〜18については、債務者本人が用意する書類です。
19〜32については、該当する場合のみ必要となります。
(写し)と記載してあるものについては、B5版かB4版でコピーしたものを添付してください。
上記は東京地方裁判所の取扱で、裁判所により若干異なりますのでご注意ください。
Copyright(C) 1997 Kazuhiro Horie