住宅用家屋証明書について

一.概説

 

    個人が一定要件を満たした註1住宅用家屋を新築または取得した場合には、所有
   権保存、所有権移転、註2抵当権設定登記を申請する際に納める登録免許税の税率
   が軽減されます(取得後1年以内に登記を受けるものに限る)。この軽減税率を
   適用するには、登記の際に、市区町村長の発行する住宅用家屋証明書を添付する
   必要があります。

   註1 税率が軽減されるのは建物のみで、同時に土地を取得した場合でも、土地
     については通常の税率となります。
   註2 抵当権設定については適用はありません。


二.要件

1.登記簿上の床面積の合計⇒50平方メートル以上

    あくまでも登記簿上の床面積で判断します。例えば、下記の<ケース1>の場
   合には適用がなく、<ケース2>の場合には適用があります。

  <ケース1> 適用なし
   登記簿 48平方メートル
   評価証明書 51平方メートル
  <ケース2> 適用あり
   登記簿 51平方メートル
   評価証明書 48平方メートル
2.種類が居宅であること

    「居宅」と他の種類のものが混ざっている場合、「車庫」や「物置」のように
   居宅の利便性を向上させるものは適用があります。「事務所」や「店舗」と混ざ
   っている場合は、全体の90パーセント以上が「居宅」であれば適用があります。 

3.自らが居住の用に供すること

    このために住民票の住所を当該物件の所在地に移転するのが一般的です。ただ
   し、引越しが間に合わない等の理由により、住所の移転が間に合わないときでも、
   住宅用家屋証明書の取得が可能な場合があります。この場合は手続きがやや面倒
   になりますので、早めに司法書士にご相談ください。(補足あり)  

4.所有権移転、抵当権設定の場合は建築後の年数が下記の要件に当てはまること
 木造(軽量鉄骨造を含む) ⇒一戸建て  建築後20年以内
 上記以外(鉄筋コンクリート造等) ⇒マンション   建築後25年以内


三.必要書類

1.新築(注文住宅)の場合
 ◎登記簿謄本または表示登記済証
 ◎住民票の写し(住所移転済のもの)
 ○建築確認通知書
2.新築(建売住宅)の場合
 ◎登記簿謄本または表示登記済証
 ◎住民票の写し(住所移転済のもの)
 ○建築確認通知書
 ○売買契約書または譲渡証明書
 ○未使用証明書
3.中古住宅の場合
 ◎登記簿謄本
 ◎住民票の写し(住所移転済のもの)
 ○売買契約書


四.税率

  通常の税率     軽減後の税率   
  所有権保存   0.6%  0.15% 
  所有権移転   註3 5.0%       0.3%
  抵当権設定 0.4%  0.1%
註3 売買、交換等の有償取引の場合は5.0%、贈与等の無償取引の場合は2.5%

   ※ 住宅用家屋証明書を取得した場合、取得後1年以内に登記を受ける限りにおい
    ては、上記のすべての登記申請に使用することができます。


五.具体例

    それでは、この軽減税率を適用すると、どのくらい登録免許税が軽減されるので
   しょうか。具体的な事例で見てみると、下記の<ケース3>では30万円以上の差
   があることがわかります。

<ケース3>
土地評価額     3,000万円
建物評価額       500万円
抵当権設定額   4,000万円
登録免許税の額         通常        軽減後
  所有権移転(土地)    50万円       50万円
  所有権移転(建物)    25万円      1.5万円
  抵当権設定         16万円        4万円

  合 計             91万円     55.5万円


六.補足

    上記二の3で少し触れましたが、住所を移転できない場合でも、住宅用家屋証明を
   取得することができることがあります。その際には、新築か中古かを問わず、住所移
   転済の住民票の代わりに、下記の書類が必要になります。

申立書
◎現在の住民票
◎申立書に関わる書類(註4)
註4 申立書に関わる書類の例
現住家屋の処分方法 必要書類
売     却 売買契約(予約)書
  媒介契約書等、売却を証する書類  
賃     貸 賃貸借契約書、媒介契約書等
賃貸借を証する書類
借家、借間、社宅等
 自己所有でない場合 
賃貸借契約書、使用許可書
家主の証明書、社宅証明書等
   親族が住む場合    当該親族の申立書等


七.まとめ

    上記五の具体例でもわかるとおり、住宅用の軽減税率を適用することにより多額の
   登録免許税を節約することができます。売買で残代金の決済日が目前に迫っていて日
   程の変更もできず、住所の移転もできないというケースでは、やむを得ず住宅用家屋
   証明書を取得せずに通常の登録免許税を納付するということにもなりかねません。

    以上で説明してきたとおり、住宅用家屋証明書がいかに重要な書類であるかがお解
   りいただけたかと思いますが、細かい手続きやその他疑問点がございましたら、どう
   ぞお気軽に当事務所までお問い合わせください。   








Copyright(C) 1999 Kazuhiro Horie